1. GX Works3のカウンター命令とは?
カウンター命令は、入力が何回入ったかを数え、設定値に到達したかを判定するための命令です。MELSEC iQ-F系の説明でも、OUT Cでカウンターを指定し、演算結果がOFF→ONに変化したタイミングで現在値を+1する流れで示されています。

2. 先に結論:カウンターは「立上り」「設定値」「RST」をセットで見る
現場で見る順番を先に決めると、原因特定が早くなります。①カウント入力の立上りが出ているか、②現在値が設定値へ向かって進んでいるか、③到達後にRSTで戻す条件があるか。この3点が揃わないと、見た目が正しくても期待動作になりません。
実務メモ
「UP/DOWNカウンター」の話に入る前に、まず通常カウンターの基本動作を確実に読めるようにすると、機種差があっても応用しやすくなります。
3. カウント入力とは?
カウント入力は、ONし続けている間に増え続けるのではなく、OFFからONへ変わる立上りごとに1回増える考え方で確認します。つまり、信号がONで張り付いたままだと連続カウントはしません。



4. 設定値と現在値の違い
設定値(目標回数)と現在値(今までの回数)を混同すると、判断を誤ります。設定値が10でも、現在値が3なら未到達です。現在値が10に到達した瞬間に接点状態が変化するかを追ってください。
設定値(SV)
- どこまで数えたら成立にするか
- 工程仕様で先に決める値
- 変更時は誤投入リスクを確認
現在値(PV)
- 実際に数えた回数
- 立上り入力で増加する
- RSTがかかるまで保持される構成がある
5. カウントアップ後の接点動作
現在値が設定値に到達すると、カウンターのa接点は導通、b接点は非導通になる説明が基本です。ここは「接点が変わる条件」を読む章なので、最終的にどの出力コイルを動かすかまで確認してください。
数え終わった後にランプやソレノイドを動かす回路では、カウンター接点がONでも、後段条件で遮断されていないかを必ず見ます。
6. RSTでリセットする考え方
カウントアップ後は、RST命令が実行されるまで現在値や接点状態が保持される考え方で設計します。だから「いつ0に戻すか」を復帰手順の一部に入れておく必要があります。


7. 通常カウンターと長カウンターの違い
16ビットカウンターや32ビット相当の長カウンターなど、使える範囲や命令表記はシリーズ・CPU・命令体系で異なる可能性があります。したがって、命令名を断定せず、使用CPUのマニュアル/ヘルプで確認してください。

8. どこで使う?現場でよくある使い方
- ワーク通過数が規定回数に達したら排出シリンダを動かす
- 異常発生回数が閾値を超えたら警報を保持する
- 手動ボタンの押下回数でモードを切り替える
9. カウンターが効かない時の確認手順
- 入力条件が本当にOFF→ONしているか(立上り有無)
- 現在値が増えているか、設定値が想定値か
- RST条件が意図せず常時成立していないか
- 短パルスをスキャンで取りこぼしていないか
- チャタリングで想定外カウントしていないか(フィルタ/ワンショット)
- 到達後の出力条件が別接点で止められていないか
よくある失敗例
「設定値だけ見て現在値を見ない」「RSTコイルを別ネットワークで常時ON」「チャタリング対策なしで二重カウント」です。
10. GX Works3でモニタするときのポイント
オンラインモニタでは、前段入力・カウンタ現在値・カウンタ接点・RST条件を同時に見ます。1点だけでは原因を誤認しやすいため、最低でもこの4点を並べて追跡してください。
現場で見るポイント
「今、何を1回として数えているか」が運転仕様と一致しているかを最優先で確認する。
11. 初心者が間違えやすいポイント
- ONし続ければ増えると思い込む
- 設定値と現在値を同じ意味で扱う
- カウント到達後の出力条件確認を省略する
- シリーズ差を無視して命令名を固定で覚える
注意
CPUシリーズによりデバイス番号範囲や命令表記が異なるため、最終判断はプロジェクトのマニュアル・ヘルプを必ず参照してください。
12. まとめ
今回のテーマは「カウンタ回路とは何か」ではなく、GX Works3でカウンター命令をどう読み、どう確認するかです。回路の基礎を先に固めたい場合は、関連記事の「カウンタ回路の基本」もあわせて確認してください。

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