計量・荷重確認の基礎

ロードセルとは?
役割・使い方をやさしく整理

ロードセルは、力や重さを電気信号に変えるセンサです。仕組み、mV/V、指示計・アンプ/変換器とPLCのつながり、使い方、取付・校正の基本を現場目線で整理します。

向いている人

  • ロードセルが何をする部品か知りたい人
  • 計量機器や荷重確認の基本を理解したい人
  • 指示計やPLCにつながる流れを整理したい人

まだ不要な人

  • ロードセル配線やゼロ点調整を実務で普通にやっている人
  • ひずみゲージの細かい理論まで今すぐ必要な人
  • アンプ設定や校正手順を詳しく知りたい人

先に結論

  • ロードセルは力や重さを電気信号に変える
  • タンク計量・ホッパー計量・荷重確認でよく使う
  • 単体ではなく指示計や変換器とセットで見る

この記事でわかること

ロードセルとは?

ロードセルは、力や荷重を電気信号へ変換するセンサです。設備では重さを量るだけでなく、圧入・圧着・押付けなどの荷重確認にも使われます。

タンクやホッパーの内容量管理、コンベア上の重量チェック、加工時の荷重判定など用途はさまざまです。現場では本体だけでなく、その先の指示計・アンプ/変換器やPLCまで追うと役割が見えやすくなります。

「見えない力を、制御で扱える情報へ変えるセンサ」

ロードセル単体の出力は非常に小さいため、実際の設備では周辺機器と組み合わせて表示・判定・制御へ利用します。

ロードセルはどうやって力を測る?

広く使われるひずみゲージ式では、荷重によって金属の起歪体(きわいたい)がわずかに変形します。その変化をひずみゲージの抵抗変化として検出します。

ひずみゲージはホイートストンブリッジ回路を構成し、抵抗変化を微小な電圧変化として取り出します。基本の流れは「荷重 → わずかな変形 → 抵抗変化 → 微小な電圧信号」です。

ロードセルの基本原理を荷重、起歪体の変形、ひずみゲージ、ホイートストンブリッジの順で示した図
荷重によるわずかな変形をひずみゲージで検出し、微小な電圧信号として取り出す基本原理です。

目で分かるほど大きく変形するわけではない

わずかなひずみを電気的に検出して荷重を測ります。

mV/Vとは?仕様表でよく見る定格出力

定格出力の mV/V は、ロードセルへ与える励起電圧1Vあたり、定格荷重時にどれくらいの出力電圧が得られるかを表す考え方です。

たとえば定格出力1mV/Vへ10Vを印加する理想的な例では、定格荷重時の出力差は約10mVです。実際の定格出力、使用できる励起電圧、許容過負荷などは製品ごとに仕様書を確認します。

mV/Vは固定の出力電圧ではない

定格出力と励起電圧の関係で実際の出力電圧が決まります。

ロードセル → アンプ/変換器 → PLCの流れ

ロードセルから得られる信号は非常に小さいため、ロードセル用の指示計・アンプ/変換器などで処理してから利用する構成がよくあります。

周辺機器側で増幅・フィルタ処理や表示、出力レンジなどを設定し、設備に合ったアナログ信号や通信などでPLCへ渡します。PLCでは重量・荷重値を読み取り、判定やインターロック、搬送・排出などの制御条件として利用できます。

ロードセルから指示計・アンプ・変換器、PLC、表示・判定・制御へつながる信号の流れを示した図
ロードセルの微小信号を周辺機器で処理し、PLCで表示・判定・機械制御などに利用する基本構成です。

生のロードセル信号を一般的なPLC入力へ直接入れるとは限らない

4-20mA、0-10V、通信などは代表例です。接続する各機器の仕様を優先してください。

ロードセルはどこで使う?代表的な使用例

ロードセルは「はかり」だけの部品ではありません。重量や荷重を数値化し、材料管理、検査、品質判定、自動制御などに利用できます。

タンク・ホッパー、コンベア重量検査、圧入・圧着、試験装置などロードセルの代表的な使用例を示した図
重量計測だけでなく、押付け・圧着などの荷重管理や試験・工程監視にも利用されます。

タンク・ホッパー

原料、粉体、液体などの重量を見て残量や投入量を管理します。

重量検査

ワークの重量を測り、過不足や欠品などの判定に利用します。

圧入・圧着・押付け

加工時の荷重が規定範囲に入っているかを確認します。

試験・計測装置

引張・圧縮などの力を測り、試験・工程データに利用します。

ロードセルを選ぶ時に見るところ

最初に「何を、どの方向から、どのくらいの力で測るか」を整理します。定格容量だけでなく、取付条件、必要な分解能、使用環境、接続する指示計・アンプ/変換器との組み合わせまで確認します。

荷重の種類・方向

圧縮、引張など測りたい力と仕様を合わせます。

定格容量

設備で想定される荷重条件を踏まえて選びます。

分解能・精度

何kg・何N単位まで見たいかを整理します。

設置環境

温度、水、粉じん、振動など実際の条件を確認します。

取付で値が変わる?荷重方向・偏荷重に注意

ロードセルは機械的に力を受けるセンサです。配線が正しくても、荷重のかかり方や取付構造が悪いと測定値が安定しないことがあります。

メーカー指定の荷重方向、偏荷重、取付剛性、過負荷と衝撃についてロードセル取付時の注意をOKとNGで比較した図
荷重方向・偏荷重・取付剛性・過負荷など、機械側の条件も測定の安定性に影響します。対象製品の取付要領を優先してください。

正しい荷重方向や取付方法は種類によって異なります。横荷重や偏荷重、取付部のたわみ・ガタ、周辺部品との干渉、過負荷・衝撃などを避け、メーカーの仕様・取付要領を優先します。

ゼロとスパンとは?ロードセル交換後も確認する

計量システムでは、基準となる状態を「ゼロ」として合わせ、既知の荷重との関係を使って表示値を合わせるスパン調整・校正を行います。

ロードセルを交換しただけで以前と同じ値になるとは限りません。ロードセル、指示計・アンプ/変換器、機械構造を一つの計測系として考えます。

具体的な校正操作は機器ごとに違う

ゼロ・スパンの名称や手順、基準荷重、設定方法は対象機器の取扱説明書を確認してください。

値がおかしい時は「機械 → センサ → 変換 → PLC」の順で見る

いきなりPLCプログラムだけを見るのではなく、機械側から順番に切り分けると整理しやすくなります。

1. 機械側

荷重方向、偏荷重、干渉、ガタ、異物、過負荷の形跡を確認。

2. ロードセル・ケーブル

破損、断線、コネクタ、ケーブルの引張りを確認。

3. 指示計・アンプ/変換器

表示、ゼロ点、設定、アラーム、出力値を確認。

4. PLC側

入力値、スケーリング、判定値、制御条件を確認。

ロードセルは機械と電気の境目にあるセンサ

荷重のかかり方と信号の流れを一続きで見ると原因を追いやすくなります。

メーカー公式資料を確認して作成しています

公式資料確認日:2026-10-01

機種固有の定格、配線、校正手順、取付方法は必ず対象製品の仕様書・取扱説明書を優先してください。

まとめ:ロードセルは力を「使える情報」に変える入口

ロードセルは、力や重さを電気信号へ変えるセンサです。ひずみゲージ式では、起歪体のわずかな変形を抵抗変化として検出し、微小な電圧信号として取り出します。

現場ではロードセル単体で考えず、ロードセル → 指示計・アンプ/変換器 → PLC → 表示・判定・制御まで一続きで見ることが大切です。

現場で迷ったら4つを見る

何を測っているか、荷重が正しくかかっているか、アンプ側でどう処理しているか、PLCでどう使っているか。この順で追うと設備の役割を整理しやすくなります。

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