電磁弁は「電気信号でエアの流れを切り替える」機器
電磁弁は、PLCなどからの電気信号を受けて、エアの流れを切り替える機器です。 エアシリンダーを前進・後退させたり、エアブローをON/OFFしたりする場面でよく使われます。
ただし、電磁弁が動かない時は、電磁弁だけを見ても原因が分からないことがあります。 PLC出力、DC24V、コイル、手動操作、エア圧、配管、シリンダー側 を分けて確認する必要があります。
電気側と空圧側を分ける
電磁弁が動かない原因は、電圧が来ていない、コイルが悪い、エア圧がない、配管やシリンダー側で止まっているなど複数あります。最初に電気側と空圧側を分けると追いやすくなります。
後輩PLCの出力ランプは点いているのに、電磁弁が動きません。電磁弁の故障ですか?
先輩まだ決めつけない方がいいね。PLC出力がONでも、コイル端子まで24Vが来ているか、エア圧があるか、手動操作で動くかを順番に見よう。
PLC出力から電磁弁、エアシリンダーまでの流れ
電磁弁まわりの確認では、電気信号の流れとエアの流れを分けて考えます。 電気信号はPLC出力から電磁弁コイルへ、エアはレギュレータやバルブを通ってシリンダーへ流れます。
| 見る場所 | 確認すること | よくある状態 |
|---|---|---|
| PLC出力 | 対象出力がONしているか | ラダー条件不成立、出力番号違い、インターロック |
| 電磁弁コイル | コイル端子に電圧が来ているか | 断線、コネクタ抜け、出力線違い、コイル不良 |
| 手動操作 | 手動ボタンや手動レバーで切り替わるか | 電気側か空圧側かの切り分けに使える |
| エア圧・配管 | 元圧、レギュレータ、配管、サイレンサ詰まり | エア圧不足、配管抜け、スピコン閉じすぎ |
手動操作は切り分けに便利
手動操作で電磁弁やシリンダーが動くなら、空圧側はある程度生きていて、電気信号側を優先して見られます。手動でも動かないなら、エア圧や配管側を疑いやすくなります。
手動操作前に周囲を確認する
手動操作でシリンダーや装置が急に動く場合があります。手を入れていないか、周囲に人がいないか、安全状態を確認してから操作します。
症状別に見ると原因を絞りやすい
「電磁弁が動かない」と言っても、PLC出力が入っていないのか、コイルに電圧が来ていないのか、手動でも動かないのかで原因が変わります。 症状を分けると、確認する場所が見えやすくなります。
| 症状 | 考えやすい原因 | 最初に見る場所 |
|---|---|---|
| PLC出力がONしない | ラダー条件、手動/自動モード、インターロック、出力番号違い | PLCモニタ、ラダー、操作条件 |
| PLC出力はONだがコイルに電圧がない | 出力線断線、端子番号違い、コネクタ抜け、共通線不良 | 出力端子、端子台、電磁弁コネクタ |
| 電圧はあるが電磁弁が切り替わらない | コイル不良、電磁弁固着、電圧不足、コネクタ接触不良 | コイル、電圧、手動操作 |
| 手動でも動かない | エア圧不足、配管違い、スピコン閉じすぎ、機械側の引っかかり | 元圧、レギュレータ、配管、シリンダー |
「電気が来ているか」と「エアで動けるか」を分ける
電磁弁のトラブルでは、電気側だけ見ても、空圧側だけ見ても不十分な場合があります。電気信号とエアの流れを別々に追うのが基本です。
電磁弁が動かない時の確認手順
現場では、思いついたところから触るよりも、順番を決めて確認した方が原因を見落としにくくなります。 ここでは、初心者でも追いやすい確認順で整理します。
1. PLC出力がONしているか
PLCモニタや出力LEDで、対象の出力がONしているかを確認します。出力番号の見間違いにも注意します。
2. コイル端子に電圧が来ているか
電磁弁のコネクタや端子で、ON時にDC24Vなどの電圧が来ているか確認します。
3. コネクタや端子の状態を見る
コネクタ抜け、端子のゆるみ、線番違い、断線しかけがないかを確認します。
4. 手動操作で切り替わるか
安全を確認したうえで手動操作し、電磁弁やシリンダーが動くかを見ます。
5. エア圧とレギュレータを見る
元圧があるか、レギュレータが閉じていないか、エア供給が止まっていないかを確認します。
6. 配管とシリンダー側を見る
配管抜け、スピードコントローラの閉じすぎ、シリンダーや機械側の引っかかりを確認します。
急な動作に注意する
電磁弁やシリンダーの確認では、手動操作や復帰時に装置が急に動くことがあります。手や工具を可動部に入れたまま確認しないようにします。
よくある原因と見落としポイント
電磁弁が動かない原因は、電磁弁本体だけではありません。 PLC出力が入っていない、コイルまで電圧が届いていない、エア圧がない、スピコンが閉じているなど、周辺の条件で止まっていることも多いです。
PLC出力ONを見ただけで判断している
PLC出力LEDが点いていても、電磁弁コイル端子まで電圧が届いているとは限りません。端子台やコネクタまで追って確認します。
手動操作での切り分けをしていない
手動操作で動くなら電気側、手動でも動かないなら空圧側や機械側を疑いやすくなります。安全確認のうえで切り分けに使います。
エア圧やレギュレータを見落とす
電気信号が正常でも、エアが来ていなければ動きません。元圧、レギュレータ、エア供給元、バルブの閉止状態を確認します。
スピードコントローラが閉じている
シリンダーが動かない、または極端に遅い時は、スピードコントローラが閉じすぎている場合もあります。
後輩電磁弁が動かないと、すぐ電磁弁交換を考えていました。
先輩交換前に、PLC出力、コイル電圧、手動操作、エア圧を見よう。原因が配線やエア側なら、電磁弁を替えても直らないからね。
現場での見方のコツ
電磁弁まわりは、電気とエアがつながる場所です。電気側で止まっているのか、空圧側で止まっているのかを最初に分けるだけで、原因をかなり絞りやすくなります。
出力番号と線番を照合する
PLCの出力番号、端子台の線番、電磁弁のコネクタ番号を図面と現物で照合します。
電圧はコイル端子で見る
PLC側だけでなく、実際に電磁弁コイルへ届いている場所で電圧を確認すると切り分けしやすくなります。
エアの元圧を見る
電気側が正常でも、元圧がない、レギュレータが閉じている、供給バルブが閉まっていると動きません。
シリンダー側も見る
電磁弁は切り替わっていても、シリンダーや機械側が引っかかっていると動かないことがあります。
「音がするか」もヒントになる
電磁弁がカチッと動作音を出すかどうかも切り分けのヒントになります。ただし音だけで判断せず、電圧やエアの状態も合わせて確認します。