回路の基礎

GX Works3の立上り・立下り検出とは?
ワンショットで1回だけ動かす基本

「ワンショット回路とは?」の理論より、GX Works3でラダーを見る時にどこを追えばよいかに絞って、立上り・立下り検出の読み方を整理します。

向いている人

  • GX Works3でLDP/LDFやPLS/PLFの意味を読みたい人
  • 1スキャンだけ動く条件を現場で判断したい人
  • カウンターやSET/RSTと組み合わせる時に迷う人

まだ不要な人

  • まずはリレー回路としてのワンショット原理から学びたい人
  • シリーズ別の全命令一覧を先に暗記したい人
  • GX Works3のモニタをまだ使っていない人

先に結論

  • ワンショットは変化した瞬間だけ1回動かす
  • 立上り(OFF→ON)と立下り(ON→OFF)を用途で使い分ける
  • 実機確認は元条件・検出命令・出力先をセットで追う

この記事のポイント

1. GX Works3の立上り・立下り検出とは?

立上り・立下り検出は、信号の状態そのものではなく状態が変わった瞬間を1スキャンだけ取り出すための考え方です。MELSEC iQ-F系資料で説明されるLDP(立上り)/LDF(立下り)や、実行条件として説明されるPLS/PLFは、いずれも「変化時に1回」という整理で読むと現場で迷いにくくなります。

GX Works3における立上りと立下り検出の全体像

2. 先に結論:ワンショットは「変化した瞬間だけ」見る

実務ではまず「1回だけ動かしたいのか」「ON中ずっと動かしたいのか」を先に決めます。1回だけならワンショット系、ON中ずっとなら通常接点系を選ぶ、という順序で考えると配線やデバッグが整理しやすくなります。

基本の判断軸

迷ったら、条件が連続成立したときの動作を想像する。連続で動いて困るなら、立上り/立下り検出で1回化する。

3. 立上り検出とは?(OFF→ONの瞬間)

立上り検出は、対象ビットがOFF→ONになったタイミングでだけONになる接点/実行条件です。押しボタンの「押された瞬間だけ」処理したい時や、カウンター入力を1回ずつ確実に拾いたい時と相性がよくなります。

後輩
入力がONの間、毎スキャンで同じ処理をしてしまうのを止めたいです。
先輩
その場合は立上り検出。押された最初の1回だけ通す、と読むと追いやすいよ。

4. 立下り検出とは?(ON→OFFの瞬間)

立下り検出は、対象ビットがON→OFFに変わった瞬間だけONになります。例えば「ボタンを離した時に確定」「センサが抜けた瞬間に後処理開始」など、終了側のトリガとして使う場面で有効です。

現場での見方

「いつ開始するか」だけでなく、「いつ解除/離脱したら次へ進むか」を設計している回路で立下りがよく出てきます。

5. ワンショットと通常接点の違い

通常接点

  • 条件がONの間は成立し続ける
  • 連続動作させたい出力向き
  • タイミングより状態重視

ワンショット検出

  • 変化した瞬間のみ1回成立
  • 1回処理・トリガ用途向き
  • タイミング重視

使い分け表の要点

「ON中ずっと必要か?」がYESなら通常接点、NOで「変化時だけ必要」なら立上り/立下り検出を選ぶと判断が速くなります。

6. LDP/LDF/PLS/PLFの考え方

LDPは立上り、LDFは立下りの接点命令として説明されます。またPLSは立上り、PLFは立下りの実行条件として示される説明があります。ただし、命令名や表記、使い方はCPUシリーズ・命令体系・プロジェクト設定で差が出る可能性があるため、最終的には対象CPUのマニュアル/ヘルプで確認してください。

LDP LDF PLS PLFの使い分けイメージ

7. カウンターやSET/RSTと組み合わせる場面

  • カウンター入力:立上りを1回として数える構成と相性がよい
  • SET:保持開始のトリガを1回化して誤再実行を防ぐ
  • RST:解除トリガを立下りで受けて、離した時に復帰させる
後輩
SETを通常接点で駆動したら、毎回同じ処理が走って見づらいです。
先輩
保持開始だけ欲しいなら立上りトリガ化すると整理しやすい。解除側も同じ考え方で揃えると保守しやすいよ。

8. どこで使う?現場でよくある使い方

現場でのワンショット利用フロー
  • ワーク通過を1回だけカウントする
  • 運転開始ボタンの初回だけ初期化シーケンスを実行する
  • 停止ボタンを離した瞬間に後処理を走らせる

9. うまく動かない時の確認手順

  1. 元条件ビットが本当にOFF↔ON変化しているか
  2. 検出命令部が1スキャンだけ成立しているか
  3. 出力先デバイスが別ネットワークで上書きされていないか
  4. 短パルスをスキャン周期で取りこぼしていないか
  5. チャタリングが多く、想定外に複数回検出していないか
  6. 入力フィルタ設定やユニット側応答時間が適切か

よくある失敗例

「1回だけ動かしたいのに通常接点で実装」「立下りが必要な場面で立上りを使用」「モニタで検出命令を見ずに出力だけ追う」が典型です。

10. GX Works3でモニタするときのポイント

GX Works3では、元条件→検出命令→出力先デバイスを1セットで追うのが基本です。1点だけ見ても原因を誤認しやすいため、最低3点を同時に見る運用にしてください。

現場で見るポイント

短い入力はモニタ上で見えにくい場合があります。トレンド・デバイス監視・ログを併用して「実際に変化が出たか」を確認すると切り分けが早くなります。

11. 初心者が間違えやすいポイント

  • 「ワンショット=難しい特殊命令」と構える
  • シリーズ差を無視して命令名を断定する
  • 1回動作と連続動作の要件を混同する
  • チャタリング/フィルタ/スキャン周期を見落とす

12. まとめ

今回は「ワンショット回路そのもの」ではなく、GX Works3/MELSEC系で立上り・立下り検出をどう読み、どう使い分けるかに絞って整理しました。回路原理から学び直したい場合は、関連記事のワンショット回路の基本記事もあわせて活用してください。

GX Works3立上り立下り検出記事のまとめ

今回の内容とつながる基礎・周辺テーマです。