1. GX Works3の立上り・立下り検出とは?
立上り・立下り検出は、信号の状態そのものではなく状態が変わった瞬間を1スキャンだけ取り出すための考え方です。MELSEC iQ-F系資料で説明されるLDP(立上り)/LDF(立下り)や、実行条件として説明されるPLS/PLFは、いずれも「変化時に1回」という整理で読むと現場で迷いにくくなります。

2. 先に結論:ワンショットは「変化した瞬間だけ」見る
実務ではまず「1回だけ動かしたいのか」「ON中ずっと動かしたいのか」を先に決めます。1回だけならワンショット系、ON中ずっとなら通常接点系を選ぶ、という順序で考えると配線やデバッグが整理しやすくなります。
基本の判断軸
迷ったら、条件が連続成立したときの動作を想像する。連続で動いて困るなら、立上り/立下り検出で1回化する。
3. 立上り検出とは?(OFF→ONの瞬間)
立上り検出は、対象ビットがOFF→ONになったタイミングでだけONになる接点/実行条件です。押しボタンの「押された瞬間だけ」処理したい時や、カウンター入力を1回ずつ確実に拾いたい時と相性がよくなります。


4. 立下り検出とは?(ON→OFFの瞬間)
立下り検出は、対象ビットがON→OFFに変わった瞬間だけONになります。例えば「ボタンを離した時に確定」「センサが抜けた瞬間に後処理開始」など、終了側のトリガとして使う場面で有効です。
現場での見方
「いつ開始するか」だけでなく、「いつ解除/離脱したら次へ進むか」を設計している回路で立下りがよく出てきます。
5. ワンショットと通常接点の違い
通常接点
- 条件がONの間は成立し続ける
- 連続動作させたい出力向き
- タイミングより状態重視
ワンショット検出
- 変化した瞬間のみ1回成立
- 1回処理・トリガ用途向き
- タイミング重視
使い分け表の要点
「ON中ずっと必要か?」がYESなら通常接点、NOで「変化時だけ必要」なら立上り/立下り検出を選ぶと判断が速くなります。
6. LDP/LDF/PLS/PLFの考え方
LDPは立上り、LDFは立下りの接点命令として説明されます。またPLSは立上り、PLFは立下りの実行条件として示される説明があります。ただし、命令名や表記、使い方はCPUシリーズ・命令体系・プロジェクト設定で差が出る可能性があるため、最終的には対象CPUのマニュアル/ヘルプで確認してください。

7. カウンターやSET/RSTと組み合わせる場面
- カウンター入力:立上りを1回として数える構成と相性がよい
- SET:保持開始のトリガを1回化して誤再実行を防ぐ
- RST:解除トリガを立下りで受けて、離した時に復帰させる


8. どこで使う?現場でよくある使い方

- ワーク通過を1回だけカウントする
- 運転開始ボタンの初回だけ初期化シーケンスを実行する
- 停止ボタンを離した瞬間に後処理を走らせる
9. うまく動かない時の確認手順
- 元条件ビットが本当にOFF↔ON変化しているか
- 検出命令部が1スキャンだけ成立しているか
- 出力先デバイスが別ネットワークで上書きされていないか
- 短パルスをスキャン周期で取りこぼしていないか
- チャタリングが多く、想定外に複数回検出していないか
- 入力フィルタ設定やユニット側応答時間が適切か
よくある失敗例
「1回だけ動かしたいのに通常接点で実装」「立下りが必要な場面で立上りを使用」「モニタで検出命令を見ずに出力だけ追う」が典型です。
10. GX Works3でモニタするときのポイント
GX Works3では、元条件→検出命令→出力先デバイスを1セットで追うのが基本です。1点だけ見ても原因を誤認しやすいため、最低3点を同時に見る運用にしてください。
現場で見るポイント
短い入力はモニタ上で見えにくい場合があります。トレンド・デバイス監視・ログを併用して「実際に変化が出たか」を確認すると切り分けが早くなります。
11. 初心者が間違えやすいポイント
- 「ワンショット=難しい特殊命令」と構える
- シリーズ差を無視して命令名を断定する
- 1回動作と連続動作の要件を混同する
- チャタリング/フィルタ/スキャン周期を見落とす
12. まとめ
今回は「ワンショット回路そのもの」ではなく、GX Works3/MELSEC系で立上り・立下り検出をどう読み、どう使い分けるかに絞って整理しました。回路原理から学び直したい場合は、関連記事のワンショット回路の基本記事もあわせて活用してください。

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