1. 先に結論
エアシリンダが動かない時は、PLC出力や電磁弁だけを疑うと遠回りになることがあります。 電磁弁が切り替わっていても、エア圧不足、スピコンの絞りすぎ、機械干渉、シリンダ固着、リードスイッチ位置ずれで止まることがあります。
この記事では、電磁弁の電気側ではなく、エアシリンダ本体と周辺の空圧・機械側の切り分けに寄せて整理します。 実作業では、設備の停止状態、安全確認、残圧抜き、社内ルールを必ず優先してください。
電気側と空圧・機械側を分けて考える
PLC出力や電磁弁コイルが正常でも、空圧側や機械側で止まることがあります。 「信号は来ているのに動かない」時ほど、シリンダ周りを順番に見るのが大切です。
先輩エアシリンダは、信号だけじゃなくてエア圧、スピコン、機械の引っ掛かりも見る必要があるよ。
新人電磁弁が動いているなら、次はシリンダ側を順番に見るんですね。
2. エアシリンダが動かない時の基本順序
確認順は、空気が来ているか、電磁弁を手動で動かせるか、シリンダが物理的に動ける状態か、検出信号が正しいかの順で見ると整理しやすいです。 出側だけ動かないのか、戻り側だけ動かないのか、両方動かないのかも重要です。
- エア圧を見る:元圧、レギュレータ、残圧、元バルブを確認します。
- 手動操作を見る:電磁弁の手動操作でシリンダが動くか確認します。
- スピコンを見る:絞りすぎ、向き、詰まり、破損を確認します。
- 機械干渉を見る:ワーク、ガイド、治具、ストッパに当たっていないか確認します。
- リードスイッチを見る:位置ずれ、LED、配線、検出位置を確認します。
3. まずエア圧と元バルブを見る
最初に確認したいのは、シリンダへ動くためのエアが来ているかです。 レギュレータの圧力、元バルブ、残圧抜き弁、フィルタレギュレータ、エア漏れを確認します。
エア圧が不足していると、無負荷では動くのにワークを押すと止まる、途中で止まる、戻りが弱いといった症状が出ることがあります。
残圧と安全確認を優先する
空圧機器は残圧で突然動くことがあります。 カバー内作業や手を入れる作業では、設備停止、残圧抜き、ロックアウト、社内ルールを優先してください。
4. 電磁弁の手動操作で動くか見る
電磁弁に手動操作がある場合は、仕様と安全を確認したうえで、手動操作でシリンダが出るか戻るかを確認します。 手動操作で動くなら、空圧・機械側はある程度動ける状態で、電気信号側に原因がある可能性があります。
手動操作でも動かない場合は、エア供給、スピコン、シリンダ本体、機械干渉、配管の向きなどを疑います。
手動操作は周囲確認をしてから
手動操作でシリンダが急に動くと、挟まれや破損につながることがあります。 動作範囲に人や工具がないことを確認し、設備ルールに従って操作してください。
5. スピコンの絞りすぎ・向きを見る
スピコンを絞りすぎていると、シリンダがほとんど動かない、非常に遅い、途中で止まるように見えることがあります。 調整ねじの位置、ロックナット、取り付け向き、配管の詰まりを確認します。
メータイン・メータアウトの考え方や、シリンダの速度調整は設備によって扱いが変わるため、現場の標準や図面を確認しながら調整します。
出側と戻り側を分けて見る
出る時だけ遅い、戻る時だけ遅い場合は、それぞれのポート側のスピコンや配管を分けて確認します。
6. 機械干渉・ロッドの動きを見る
シリンダ自体は動こうとしていても、ワーク、ガイド、ストッパ、治具、可動部の渋りで止まることがあります。 特に、押し付け方向や端位置付近で止まる場合は、機械側の抵抗や干渉も確認します。
ロッドの曲がり、取付芯ずれ、摺動部の汚れ、ガイドの重さ、ワークの噛み込みなども原因になります。 エアを抜いた状態で安全を確保し、手で動く範囲を確認することもあります。
ワーク干渉
ワークが噛み込んでいないか、位置ずれしていないか確認します。
ガイドの渋り
リニアガイドやスライド部が重くなっていないか確認します。
ロッドの曲がり
横荷重や衝突でロッドに無理がかかっていないか見ます。
ストッパ位置
ストッパや治具が調整ずれしていないか確認します。
7. リードスイッチ位置と検出状態を見る
シリンダは動いているのに次工程へ進まない場合、シリンダ位置を検出するリードスイッチやオートスイッチが原因のことがあります。 センサー位置、LED、配線、コネクタ、入力モニタを確認します。
シリンダ端まで動いているように見えても、リードスイッチ位置がずれていると、PLC側では到着信号が入らないことがあります。 出側・戻り側のどちらの検出が入っていないかを分けて見ます。
動かないのか、検出していないのかを分ける
実際にはシリンダが動いているのに、到着信号が入らないため「動いていないように見える」こともあります。 目視の動きとPLC入力モニタを分けて確認します。
8. まとめ
エアシリンダが動かない時は、電磁弁やPLC出力だけではなく、エア圧、手動操作、スピコン、シリンダ本体、機械干渉、リードスイッチを順番に確認します。 「出ない」「戻らない」「途中で止まる」「動いているのに検出しない」を分けると、原因を絞り込みやすくなります。
- まずエア圧、元バルブ、残圧抜き弁を確認する
- 手動操作でシリンダが動くか確認する
- スピコンの絞りすぎ、向き、詰まりを確認する
- ワーク、ガイド、治具、ストッパとの機械干渉を見る
- リードスイッチ位置とPLC入力モニタを合わせて確認する