PLC・トラブル対応

PLCのエラーランプが点いた時に見る順番
慌てず確認する基本

PLC本体のERR/ALMなどが点いた時は、いきなりリセットせず、設備状態・表示ランプ・電源・入出力・エラー履歴を順番に確認することが大切です。

向いている人

  • PLCのエラーランプ点灯時に何から見るか迷う人
  • ERR/ALM表示で慌ててしまう人
  • 復旧前に確認すべき順番を整理したい人

まだ不要な人

  • 特定機種のエラーコード一覧だけを探している人
  • CPU交換や詳細診断手順を知りたい人
  • 安全確認なしに強制復旧したい人

先に結論

  • 最初に設備と人の安全を確認します。
  • 次にPLC本体のランプ状態とエラー履歴を残します。
  • 原因を見ずにリセットだけで済ませないことが大切です。

この記事でわかること

1. 先に結論:エラーランプは「止まった理由を探す入口」

PLCのエラーランプが点いた時は、PLCが何らかの異常や注意状態を知らせている可能性があります。ここで大切なのは、いきなりリセットしないことです。

まず設備の状態、人の安全、機械が動き出しても危なくないかを確認します。その上で、PLC本体のランプ状態、電源、I/Oユニット、通信、エラー履歴を順番に見ます。

この記事で扱う範囲

この記事では、PLC本体のERR/ALMなどが点いた時に、現場で最初に見る順番を整理します。機種ごとのランプ名やエラーコードの意味は異なるため、詳細判断は必ず使用中のPLCの公式マニュアル、GX Works3の診断情報、現場ルールに従ってください。

先輩

先輩エラーランプが点いた時ほど、まず落ち着いて状態を残す。リセットは最後の方だよ。

新人

新人原因を見る前に消してしまうと、あとで何が起きたか分からなくなるんですね。

2. PLCのエラーランプとは何を知らせるものか

PLC本体やユニットのランプは、運転状態、異常、警報、通信状態、電源状態などを知らせるための表示です。RUN、ERR、ALM、BAT、SD/RDなど、名称や意味は機種によって違います。

ランプが点いた時は「PLCが壊れた」と決めつけるのではなく、電源、CPU、I/O、通信、プログラム、バッテリ、外部機器のどこに関係しているかを切り分ける入口として見ます。

PLC本体のエラーランプを確認する基本イメージ
エラーランプは、原因そのものではなく「どこから確認するか」を決める手がかりとして見ます。
見る場所確認したいこと注意点
PLC本体RUN/ERR/ALMなどの点灯・点滅ランプ名は機種で違うため、現物とマニュアルを合わせる
電源電源電圧、電源ユニット、24V系の状態電圧低下や瞬停も疑う
I/O・通信ユニット異常、通信エラー、断線PLC本体以外の周辺要因も見る
エラー履歴いつ、どのエラーが出たかリセット前に記録しておく

3. 最初に見る順番

現場では、PLC画面やソフトを見る前に、設備の安全状態を先に確認します。エラーの内容によっては、復旧操作後に設備が動き出す可能性があるためです。

PLCエラーランプ点灯時に最初に見る順番のフロー図
最初は安全確認、状態記録、PLCランプ確認、エラー履歴確認の順で進めると慌てにくくなります。
  1. 人と設備の安全を確認:可動部、挟まれ、落下、エア残圧、周囲作業者を確認します。
  2. 現象を残す:PLCランプ、タッチパネル表示、設備状態、時刻を記録します。
  3. PLC本体のランプを見る:どのランプが点灯・点滅しているか確認します。
  4. 電源とI/Oを見る:電源低下、ユニット異常、配線・通信異常の可能性を見ます。
  5. エラー履歴を見る:GX Works3などで診断情報や履歴を確認します。
  6. 復旧前に共有する:原因、復旧方法、再発時の対応を関係者と確認します。

4. 電源・I/O・通信も合わせて見る

PLCのエラーランプが点いていても、原因がPLC本体だけとは限りません。電源ユニット、24V電源、I/Oユニット、通信ユニット、外部機器、配線側の問題で異常になることもあります。

電源

AC電源、DC24V、電源ユニットのランプ、瞬停や電圧低下を確認します。

I/Oユニット

入力・出力ユニットの異常表示、端子台、外部配線、短絡を確認します。

通信

ネットワーク機器、ケーブル、通信ユニット、相手機器の状態を確認します。

外部機器

インバータ、サーボ、ロボシリンダー、タッチパネル側の異常も確認します。

PLCだけを見続けない

PLCは周辺機器の異常を受けて止まることもあります。ランプだけで判断せず、設備側の電源、通信、I/O、外部機器の表示を合わせて見ます。

5. GX Works3などでエラー履歴を確認する

PLC本体ランプを確認したら、可能であればGX Works3などの開発ソフトで診断情報やエラー履歴を確認します。ここで、発生時刻、エラー内容、該当ユニット、復旧条件の手がかりを見ます。

GX Works3などでエラー履歴を確認する流れの概念図
エラー履歴は、原因調査の入口です。リセット前に内容を残しておくと、再発時の判断材料になります。
  • 発生時刻と設備の動作タイミングを合わせる
  • どのCPU・ユニット・通信に関係するエラーか確認する
  • 過去にも同じエラーが出ていないか見る
  • 復旧後に消える一時エラーか、継続している異常か分ける
  • 画面の文言だけで断定せず、公式マニュアルと照合する

6. リセット・再起動の前に確認すること

リセットや電源再投入で一時的に復旧することはありますが、原因が残っていると再発します。また、復旧操作で設備が動き出す可能性もあります。

PLCエラー復旧前の安全確認チェック図
復旧前は、安全、原因、関係者共有、再発時対応、手動復帰条件を確認します。

リセットは原因確認後に行う

エラー内容や設備状態を残さずにリセットすると、原因が分からなくなることがあります。復旧操作は、現場ルール、責任者判断、安全確認に従って行います。

  1. 可動部の安全を確認する
  2. エラー内容と時刻を記録する
  3. 周辺機器の異常表示も確認する
  4. 関係者へ状況を共有する
  5. 復旧後に動かす条件を決める
  6. 再発した場合の止め方を確認する

7. よくある注意点

エラーランプ点灯時は、焦って「とりあえずリセット」「とりあえず電源を入れ直す」となりがちです。しかし、それだけでは原因が残り、同じ停止を繰り返すことがあります。

記録が次の復旧を早くする

ランプ状態、表示文言、時刻、設備状態、直前の作業内容を残しておくと、再発時に原因を絞りやすくなります。

  • ランプ名を思い込みで読まない
  • PLC本体だけでなく周辺機器も見る
  • リセット前に状態を記録する
  • バッテリや通信など軽く見がちな表示も確認する
  • 復旧後に手動・低速・単動で確認できるなら段階的に見る

8. まとめ

PLCのエラーランプが点いた時は、原因を消す前に、まず状態を確認して記録することが大切です。設備安全、ランプ状態、電源、I/O、通信、エラー履歴、復旧前確認の順番で見ると、慌てず対応しやすくなります。

  • 最初に人と設備の安全を見る
  • ランプ状態と表示内容を記録する
  • 電源・I/O・通信・外部機器も見る
  • GX Works3などでエラー履歴を確認する
  • リセットは原因確認と安全確認の後に行う